【プロローグ】
岩肌が丸見えな山が見える。
そこは男鹿島。
家島の隣にある島に私はまもなく上陸する。
この島には神社や遺跡があるらしい。
採石場が多数存在している。
船着場につくなり、私に老人は言った。
「降りるの?ここには何もないよ。」
レンタルサイクリングとかありますか?
「何もないよ。何も」
【島の散策を開始する】
なにもないと言っても過言じゃない。
あたりは静かだ。舟番の老人は80歳、365日舟番をしているそうだ。
あたりを見回すと本当に何もない。
近くに看板がある。
現在地が左上の淡賀盾崎だろう。
このまま歩いて右側の「青井の浜」が美しいらしい。
私はそこに向かう。グーグルマップで唯一地名がでている場所だ。
鹿公園という名前の場所があるが、鹿数匹、柵入れらている。
鹿たちは元気がないように見える。
ずっと枝を噛んでいる。枝の薄皮を食べているようだ。
柵内には草一本生えていない。放置されているのだろうか・・・・
雰囲気が重い。ちょっと怖いながらも私は先へ急いだ。
【いつの間にか採石場へ】
鹿の場所がからほどなく進むと道がなくなり・・・というか、舗装道路がなくなり、
あたりはがれき道へと変わっていった。
荒野に一人。
そんな状況だ。
ほどなく進むと巨大な岩肌が見える。
男鹿島は採石場の島だと聞いている。
見事に山が切り崩されているようだ。
写真からは巨大さが伝わらなくて残念だ。
ちょうど山で日陰になる。寒い。夕方の15:30ぐらいでこんな雰囲気だ。
道をドンドン進むが、人の気配がまったくない。
誰もいない。
空は雲一つない。爽快だ!
巨大な砕石跡の隣を歩いて「青い浜」を目指す。
道は一本道でこの道以外はどう考えてもない。
青い浜の存在を私は疑っている。
そんな広々したこの空間に声が聞こえた。
【犬の声が聞こえる】
犬が遠くで吠えているようだ。
山の裏側なのか?かなり遠くに感じる。
繋がれているようだ。
声は近づいてこないようだった。
先へ進む。犬はキライだし。
足元が変だ。
浜の砂のようなものが点在している。
海水が上がってきているのか、湧き出ているのか、水たまりが見える。
この通り、先に水たまりが・・・・
進むべきか、進まないべきか悩むところ。
犬の吠えるのもちょっと怖くなってきたので、引き返そうと思う。
私の足型がついている。
長い期間誰も歩いていないのだなと思う。
ワンワーンワンワーン
うるさい犬どもだ。
私は不安がよぎっている。
誰もいない。
私一人。
夕方。
の条件がそろうとひどい目に今までもあってきたのだ。
目を凝らさないと見ないが、中央に白い点がある。
あれは犬だ!白い犬がおる。
いつの間にか゚ガケの上に犬が見える。
上の写真だと望遠で撮影しても点にしか映らない。
それほど離れている。
危険をかなり感じているので、私は急いで引き返すことにした。
1匹ではない、複数いる。犬が複数いる。
大きくはないようだが、かなり吠えている。
かなり興奮しているのがわかる。怖い。
かなり怖い。
ビビりとでも何とでも言ってくれ。怖いものは怖い。
動物が檻の中に入っていないのは怖いのだ。
かなり速足で私その場を離れようと、青い浜はさっさとあきらめて競歩でその場を移動する。
ガケの上に犬だ。ガケなので、大丈夫とは思うのだけど、それでも怖いのだ。
すると、
ガレキの上から、
石が落ちる音がする。
カラカラカラ・・・・
それも複数だ。
カラカラカラ・・・・
興奮した犬が落ちたか?
まぁそれも仕方がない。
落ちた犬が悪いのだ。
私は関係がない。
後ろから走ってくる音が聞こえる。吠えながらだ。
心臓がバクハツしそうにはねた。
見ると犬が猛ダッシュこちらに向かっている。
走ったよ。
私は走ったよ。
犬は本能的に走るものを追いかけるらしいけど、
人間は追いかけられたら本能的に走るのだと思ったよ。
だって、走ってくる犬は一匹ではなかったのだから
【犬と対峙する】
まさかとは思っていたけど、誰もいない島で野犬に追いかけられる恐怖。
写真では2匹しか確認できませんが、白犬、黒犬、茶色の犬がガケから順番に降りてきて順番に追いかけてきたんです。
すぐに犬に追いつかれました。
完全に噛もうとしてきます。
もう走れません。
観察してわかりましたが、犬の方向に目線をやると、犬は下がります。
目線を外すと一気に間合いを詰めてきます。
マンガみたいな話ですが、棒を振り回したり、石を投げたりして、
噛まれないように必死です。
1匹じゃないので、タイミングを計って走ります。
走らないとダメだ。ダメだこれ!
周り囲まれたら無理だこれ!
周りを取り囲まれないようにしながら、対峙しては棒振る、石投げる、
後ろダッシュ(後半はもう背面向けて逃げられないぐらい囲まれてる)
犬見ながら後ずさり移動。これだ。これが安全だ。
安全でもないけど、ガンガン間合いを詰めてくる。
あーもうホントになんでこんなことになったのかな!!
もう!!ハラタツ!!!このクソ犬こらぁー!!
【エピローグ】
まさか、この歳で犬と戦うことになるなんて思ってもみなかった。